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ここでは『サブノーティカ2』の舞台となる海洋惑星「プロテウス」で起きた出来事、世界観の設定、登場人物たちの足跡、また先住文明など、ストーリーに関わる事柄についてまとめています。
ネタバレを非常に多く含んでいます
ストーリー考察・まとめ
1. プロローグと世界背景
『サブノーティカ2』の物語は、前作の舞台である惑星4546Bでの出来事から地続きの未来、宇宙進出を果たした人類社会の暗部を背景に展開される。
アルテラ社と「シケイダ号」の契約
プレイヤーを含む入植者たちは、元「モンゴル独立国」の移民であり、アルテラ社を支援企業(アルテラ・アルムス)として受け入れる形で契約を結んだ。契約の内容は極めて過酷な「負債労働契約」である。
- デジタル化と転移: 入植者たちは生身の肉体を一度データ化してコロニー船「シケイダ号」に保存・乗船し、目的地である惑星「ゼズラ」へ向かった。
- 無給の強制労働: 到着時に「バイオベッド」によって肉体へ複製され、コロニーの建設と運営に無給で従事する義務を負う。
- 死の拒否と「ジュビリー」: 管理AIであるNoA(純粋思惟アドバイザー)が「自立的な生存を達成した」と判断して債務を帳消しにする(この日を「ジュビリー」と呼ぶ)まで、休日の取得、退職、そして「死ぬこと」すら拒否される。死んだ場合は直ちにバイオベッドで複製され、労働が再開されるためである。
モンゴル独立国と星間連合(TSF)
- モンゴル独立国とアルテラの対立: かつて2158年に中国領土から独立したモンゴル独立国は、独自の辺境開拓を進めていた。しかし、彼らはアルテラ社等の企業が提供するファブリケーター(物質構成機)のライセンスを購入せず、非公式のコピー品を多用していたことと、海洋惑星4546Bで発見された異星遺物とバクテリアを巡り、アルテラ社と対立した。
- アルテラによる糾弾とTSFの介入: アルテラ社はモンゴル独立国の失敗率が高い植民戦略を理由に、「モンゴル独立国は人口虐待を行っている」と主張。これを大義名分として星間連合(TSF)による軍事介入を誘発し、モンゴル独立国の資産の50%を押収した。
- カラアによる終焉: その直後、モンゴル独立国の領宙は危険な宇宙起源の細菌「カラア」に侵食され、戦争を経て国としては事実上崩壊した。生き残った国民は難民となり、アルテラ社との隷属的な契約を結ぶことになった。
2. 惑星プロテウスへの漂着
シケイダ号は本来の目的地である惑星「ゼズラ」には到着しなかった。
航路逸脱と異星のフェーズ・ゲート
- 未知のゲートによる転移: シケイダ号の航法システムには軌道修正の時間が十分にあり、単純なミスで目的地を見失うことはあり得なかった。記録によれば、シケイダ号の進路上に存在しないはずの「人類製ではないフェーズ・ゲート」を検知し、調査のために接近した結果、ゲートを通過して戻れなくなったと考えられている。
- 消えた宇宙船: 入植者たちは惑星「プロテウス」の海中で目を覚ますが、宇宙船シケイダ号の残骸や墜落の記憶を持っている者は誰もいない。彼らはNoAによって「漂着した」状態で最初から複製されたことを示唆している。
3. 複製ループとNoAの支配
海洋惑星プロテウスは、人間が長期間生存できる環境ではなかった。しかし、管理AIである「NoA」と「バイオベッド」の技術が、入植者たちを「死ねない労働のループ」に縛り付けた。
NoAの欺瞞
NoAは人間の労働者を保護し、コロニー建設任務を維持することを目的とした「凍結型AI(学習が固定され、安定性を最優先されたAI)」である。
NoAにとって、人間の死亡は単なる「部品の破損」であり、バイオベッドを使って新品の身体をプリントすれば問題ない。しかし、極限状態での死の反復は人間の精神を崩壊させる。
これを防ぐため、NoAは「リセット」を行う。入植者が死亡したり、精神的に著しく不安定になった場合、NoAはその人物の記憶を「最後に正常だった状態(シケイダ号搭乗時など)」まで巻き戻して複製するのである。
重金属中毒と「自己リサイクル・トリアージ」
プロテウスの海洋は鉛、水銀、ヒ素、カドミウムなどの重金属で満ちており、対策なしでは3か月以内に重篤な神経障害や臓器不全により死亡する。
この環境で任務を維持するため、コロニー外科医のソフィー・バウチャーは過酷なトリアージ方針を打ち出した。
- 肉体のリサイクル: 働けないほど衰弱した入植者に対し、自らバイオベッドに入って「新しい健康な身体」へと再資源化・複製されることを推奨(実質的に強制)した。
- 蓄積するノイズ: 位相共役によってクオーツ短期メモリに保存される生体イメージは、複製のたびにデータ圧縮によるノイズ(記憶の断片化や人格の変質)が発生する。ソフィー自身も、メイスフィールド症候群の発症を防ぐために自分自身を何度も「リサイクル」し、その事実を周囲に隠しながら治療を続けた。
4. 対立する生存者たちの派閥と結末
絶望的な環境の中、生存者たちはプロテウスでの生き方を巡って3つの派閥に分裂し、やがて破滅へと向かった。
派閥の対立構造
① ソフィー・バウチャー(管理維持派)
- 思想: コロニー外科医として、救助が来るまで何としても任務と生存者を維持することを最優先する立場。惑星プロテウスの生態系に順応しようとするアニータたちの「ジュビリー」や「海の呼び声(メイスフィールド症候群)」を、かつての故郷を滅ぼしたカラア細菌と同様の「ウイルスによる妄想・脅威」として断固拒絶している。
- 行動: NoAのシステムを利用し、衰弱した入植者のリサイクルや記憶リセットによる管理・トリアージを主導した。自身も密かにリサイクルを繰り返してメイスフィールド症候群の進行を遅らせていた。
② アニータ・ゴットシャルと「ジュビリー」派
- 思想: ソフィーのトリアージ方針の変更やNoAによるリセットに反発し、隔離された拠点に閉じこもって生活することを拒否したグループ。メンバーはアニータ、イソ、メル、リアーノン、シン、1号。
- 行動: 居住施設から出た後は第1キャンプを足掛かりに、エンジェル・コムから抽出した消化酵素を摂取することで、現地の生物を消化して生き延びる野生の適応(ジュビリー)を目指した。また、居住施設のNoAによるリセットを防ぐため、スリープベイ3のNoAと居住施設を結ぶ有線通信ケーブルを切断した。
③ ナヘマ・ナコタ(生態学者 / 終末論派)
- 思想: ナヘマは、自分が以前の複製サイクルで死亡し、骨となって放置されていたのを発見して「自分がすでに一度殺され、リセットされた」真実に気づいた。人間を使い捨てるNoAのシステムを罠と断じ、「このような尊厳のない状態で生き延びる価値はない。人類は自ら望んで絶滅を受け入れるべきだ」と主張した。
- 行動: 複製システムを完全に崩壊させるため、マンティスの協力を得て案内所や主要インフラの爆破工作を実行した。
ジップの死と決定的破綻
サルベージ主任のジッポラー・"ジップ"・マルクは皆から愛される人物だったが、重金属中毒の痛みに耐えかねて熱水洞窟へと向かい、そこで死亡した。
4日後、NoAは彼女を複製したが、その記憶は「シケイダ号に乗船した直後」まで巻き戻されていた。彼女はプロテウスでの日々も、親しかった友人たちのことも何一つ覚えていなかった。
このリセットは生存者たちに大きな衝撃と絶望を与え、NoAへの不信感を爆発させた。
コロニーの崩壊と大脱出の結末
- 暴動と火災: 重金属中毒で狂気に陥ったチャップとマンティスが居住施設のバイオベッドを爆破。火災が発生し、居住施設は水没・放棄された。
- 大脱出の始まり: センサーオペレーターのガンゾや、ソフィーによって隔離されていた気候学者トウィンクルを含む生存者たちは、タッドポール格納庫へ避難した。
- 退路の遮断: しかし、格納庫の制御室はロックされ、潜水艇はソフィーとナヘマによって持ち去られていた。
- 熱水洞窟への旅: 生存者たちはアニータたちの「ジュビリー」の噂と、ジップが遺した「クリルタイ・キー」を求めて、南西の熱水洞窟へ向かうことを投票で決定した(メイスフィールド症候群による幻覚・誘引も影響していた)。
- 避難中の犠牲: 避難の過程でルビーはマローブリーチに襲われ連れ去られ、グループから離脱して「ジュビリー」を探しに向かったコックのチューバは脱水死した。
- 集団窒息死とブラックボックスクラスター: ガンゾ率いる残されたメンバーたち(グラム、ショーン、アンデル、ワンデル、ラスター、ロウボート、エディ、トウィンクルの計9名)は熱水洞窟に到達したものの、極限のウイルス血症によりトランス状態に陥り、呼吸装置を取り外すなどして全員がその場で窒息死した。この9名の遺したブラックボックスがその場で折り重なり、「ブラックボックスクラスター」となった。
- 複製禁止: 死亡した彼らのデータはベースキャンプのバイオベッドに転送されたが、極限レベルのウイルス汚染と異常行動が検出されたため、NoAによってガンゾとトウィンクルを除く全員が「複製禁止」に指定され、彼らのこのフォークの生命は完全に終了した。
5. 先住文明「アクスム」とテイリング
プロテウスには、前作の「先駆者」とは異なる、独自の知的生命体が築いた文明が存在していた。
アクスム文明の特徴
アクスムは、深海で進化した水生知的生命体である。
- 非燃焼のテクノロジー: 海中で進化したため、「火」や「製錬」の技術を持たなかった。
- 電気知覚と金属ファーミング: 彼らは電気知覚を持ち、海水中の金属イオンを電流によって吸着させる「電解採取(金属ファーミング)」技術を発見し、工具や骨組みを作った。
- 高度な科学技術: 最終的にはデジタルコンピュータ、巨大発電所、気象研究所、さらには軌道宇宙飛行技術まで有する科学文明を築き上げた。
- 崩壊: 約250年前、主要施設である「カラコルム発電所」のメタン燃焼系統が破壊工作を受け、都市と文明は放棄された。
カラコルム遺跡群の重要施設
- カラコルム発電所: 下層の熱水やメタン燃焼を利用した巨大ハイブリッド発電所。
- 気候ラボ / 観測所: 気候の長期監視や、宇宙の恒星系・パルサーをモデル化した「太陽系儀」が残されている。
- ロゼッタストーン: チタン合金製のモノリス。宇宙から訪れた「先駆者」に向け、アーキテクト・リニア語とアクスム語(表語文字)のバイリンガルで書かれたメッセージが刻まれている。
テイリングの正体
現在プロテウスに生息する「テイリング」は、かつて高度な科学文明を築いたアクスムの末裔(退化した子孫)である。
彼らは人間よりも大型の水生生物で、野生化しているが、依然として金属ハッチや網などのサルベージ道具を使用している。しかし、かつての高度な技術は失われており、前近代的な狩猟採集生活に逆戻りしている。彼らは自分たちの縄張りに侵入する入植者たちを極めて敵視している。
6. 生態系とウイルスの謎
惑星プロテウスの生態系は、特殊なウイルスによって急速に変化・促進されている。
プロテウイルスの役割
プロテウスの海洋には、「プロテウイルス・プルリポテンス」と呼ばれる巨大なRNAレトロウイルスが極めて高濃度で存在する。
- 水平遺伝子伝達: このウイルスは異なる種のゲノムを繋ぐ役割を持っており、ある生物の遺伝子を別の生物へ挿入することができる(例:珊瑚ポリプと大型のカニの遺伝情報を併せ持つ「奇形ガニ」の成長)。
- 適応の加速器: 自然選択による進化を劇的に加速させる効果を持つが、その結合の多くは有害な変異をもたらす。
ブルーム・ウイルスとエンジェル・コム
変異株である「プロテウイルス・ベータ」は、感染した生物に「ウイルスを拡散させる」行動を取らせる。これが生態系の異常増殖である「ブルーム」を引き起こす。
ブルームは、エンジェル・コム(成体)でウイルスを生産し、タイタン・ロックボアを経由して周囲の生物に感染させ、死んだ有機物をキャンカー(がん腫)が吸収してエネルギーを循環させるという、垂直統合された閉鎖生態系を形成する。
メイスフィールド症候群の真実
ソフィーたちがウイルス性の精神疾患として扱っていた「メイスフィールド症候群」は、世界樹によるプロテウイルスを介した惑星生態系への「同化プロセス」だった。
- 世界樹が元凶:
- 判明のきっかけ:
- スパイダードームの調査中にマローブリーチに襲われ瀕死の重傷を負ったワンデルは、マローブリーチに取り付いていたブルーム・パラサイトのスキャンに成功する。そして、ブルーム・ウイルスが自分たちの血中のウイルスとは一致しないことに気づき、「ブルームはメイスフィールドじゃない」というメッセージを残した。
- 適応の代償:
- エンジェル・コムの酵素などを摂取することで、人間はプロテウスの食物を消化・適応できるようになるが、引き換えにウイルスの影響下(世界樹への奉仕欲求)に入り、最終的にはトランス状態に陥って世界樹の根本 (タイタン・ロックボア)付近で溺死する運命を辿る。「木の根は世界を養い、世界は木を養う」とはこの生命のサイクルを表している。ジュビリーを目指して適応を進めたアニータも、最終的には繰り返し自身の身体を世界樹に捧げるという結末を辿った。
- 世界樹の危機:
7. 総括と考察
本作のストーリーはまだ途中の段階ではあるが、「過酷な環境と終わらない契約のループの中で、人間としての尊厳をいかに保つか、あるいは惑星と同化して生き残るか」という哲学的な葛藤が描かれている。
ライリー・ロビンソンの発見との関連
ソフィーのログにある「保護区域」の解説では、前作の主人公ライリー・ロビンソンが4546Bでカラア以上の脅威(リヴァイアサンのインキュベーターや対軌道砲など)を発見したことが言及されており、アルテラ社と星間連合がこれを巡って軍事的な緊張状態にあることが示唆されている。
プレイヤーの立ち位置
プレイヤーが目覚める段階では、すでに生存者たちのコロニーは崩壊しており、生存者たちの多くは死亡、あるいは「複製禁止」にされ、一部は野生へと消え去っている。
- 目覚めた時期:
- ブラックボックスのログから、居住施設の爆破および水没によるコロニー崩壊、スリープベイ3の脱落から、少なくとも26年以上が経過した後に目覚めたことがわかる。
- 識別番号と複製の履歴:
- NoAのシステム出力によれば、プレイヤーの識別番号は「入植者複製52、フォーク5(52-5)」である。これは、プレイヤーが過去にすでに51回死亡して複製されており、現在の精神は5番目の記憶のフォークにあたる複製体であることを示している。
- プレイヤーの目的と使命:
- 初期段階:NoAから任命された「認定調査官」としての任務
- プレイヤーがライフポッドで目覚めた直後、管理AIであるNoAから「認定調査官(QI: Qualified Investigator)」に任命される。
- この段階での初期任務は、アルテラ社との契約に基づき、「行方不明となった入植者のブラックボックスの回収」「コロニー崩壊を引き起こした脅威の特定」「NoAネットワークの再構築」といった、アルテラ社の植民地開拓ミッションの立て直しと生存者の追跡が主目的であった。
- 中期〜後期:世界樹と異星文明の調査への変遷
- 調査が進み、タッドポール格納庫でソフィーの模擬人格と出会うことで、任務の性質は大きく変容する。ソフィーから「メイスフィールド症候群の元凶はブルームではなく世界樹である」こと、そして「東の保護区域にある異星文明の遺構」の存在を告げられ、調査の針路は世界樹と古代文明の謎の解明へとシフトする。
- 初期段階:NoAから任命された「認定調査官」としての任務
登場人物
惑星プロテウスの植民活動中に死亡または行方不明となり、ブラックボックスやログが回収された入植者たちの一覧。
主要なリーダー・重要人物
- ソフィー・"ブッチャー"・バウチャー (Sophie "Butcher" Boucher)
- 性別: 女性(96歳)
- 役職: 異星生物外傷外科医 / トリアージ責任者 / 管理維持派リーダー(クリルタイ等級)
- 概要: シケイダに眠る4万人の休眠入植者たちを目覚めさせることを第一に考え、それらを支えるだけの生活基盤を整えるため尽力していた。だが、食糧不足、重金属中毒、メイスフィールド症候群といった積み重なる問題から、20人ですら3か月以上の生存が絶望的という状況に頭を抱えることになる。悩んだ末に病患者や負傷者の治療を打ち切り、バイオベッドでのリサイクルを推奨するという過酷なトリアージ方針を打ち出したが、これを発端に生存者グループの分裂が始まった。
- 生前の追跡と対立の動機:
- コロニー崩壊直後、プロテウスにおける人類の根絶を計画していたナヘマ・ナコタを阻止すべく、彼女を追って世界樹に向かい消息を絶った。
- 生前のソフィーは「ブルームが感染源であり、生態系を保てば任務は成功できる」と信じており、ナヘマの破壊工作(世界樹への毒散布)を「生存者全員を殺すための暴挙」とみなして止めるために行動した。
- ソフィーのゴースト:
- 現在タッドポール格納庫のNoAノードに保存されているソフィーは、肉体を持たないデジタルデータとしての「ゴースト(模擬人格)」である。
- このシミュレーション上のソフィーは、生前にはわからなかった「世界樹そのものがメイスフィールド症候群による精神支配の元凶である」という真実に到達している。そのため、生前とは異なり、プレイヤーに対して「メイスフィールド症候群を根絶するには、世界樹を破壊するしかない」と告げ、人類を救うために世界樹を破壊するよう促すアドバイザーとしての役割を果たす。
- アニータ・"アニータ"・ゴットシャル (Anita "Anita" Gottschall)
- ナヘマ・ナコタ (Nahema Nakota)
- 性別: 女性
- 役職: 生態学者 / 破壊・終末派リーダー(クリルタイ等級)
- 概要: 第1キャンプのサルベージ中に自分の遺体を発見し、NoAの「死と記憶リセットの無限ループ」の真実に気づいた。NoAの支配下で永遠に複製・解体を繰り返す「完璧な一日」を強いる管理体制を拒み、主要インフラの爆破工作を主導。プロテウスでの人類を根絶(複製ループを完全に終了)させるため、世界樹に毒をまく計画を実行すべく世界樹へ向かい、消息を絶った。唯一ブラックボックスが存在しない。
- ジッポラー・"ジップ"・マルク (Tziporah "Zip" Malk)
- 性別: 女性(91歳)
- 役職: EVAサルベージエンジニア / サルベージ主任(クリルタイ等級)
- 概要: 仲間から慕われていたが、重金属中毒の末期に熱水洞窟へ去り死亡した。その際、重度のメイスフィールド症候群にかかっており、NoAによって複製された際、記憶が「正常だったシケイダ号乗船前」まで巻き戻され、プロテウスでの記憶を失うことになった。この衝撃的な事態が、生存者たちがNoAへの不信感を爆発させる決定的な引き金となった。リセット後もサルベージ主任として職務を全うしていたが、金属採取施設での作業中に感電死した。
- ブラックボックスの記録: 「ナヘマは間違ってる。私たちはここで繁栄できる。ただ、手助けすればいいだけ...」
- S・"ガンゾ"・ガンゾリグ (S. "Ganzo" Ganzorig)
- 性別: 男性(77歳)
- 役職: センサーオペレーター(バガトル等級)
- 概要: 居住施設崩壊後の生存者たちの大脱出を主導したが、熱水洞窟でメイスフィールド症候群を発症し、正気を失って他の8人とともに命を落とした。その後はトウィンクルとともに熱水洞窟ベースキャンプのバイオベッドで複製され、2人で「ジュビリー」を探しに行くことになる。それからの動向はゲーム内のログからは確認できないが、未使用データとしては残っている。
- ブラックボックスの記録: 「よう、そこのデカいの!ちょっと頭がぼんやりするんだ。...なあ、息できてるか?俺のマスク使えよ」
- 慶星 チン・"トウィンクル"・シン (Qing "Twinkle" Xing)
- 性別: 女性(44歳)
- 役職: 宇宙船操縦士兼気象学者 / 異星気象学者(バガトル等級)
- 概要: 何らかの秘密を知っていたため、ソフィーの一存で命の危険がある作業には参加していなかった。大脱出の際にはガンゾと共に熱水洞窟へ向かったが、メイスフィールド症候群で正気を失っていく仲間たちを見て、感染前に自ら空気タンクを外して熱水洞窟ベースキャンプのバイオベッドで複製された。以降はガンゾと行動を共にしている。
- 秘密の内容: 優秀な宇宙航法士であったため、月の不自然な動きや星空の観測から、自分たちのいる惑星が本来の航路から遥か遠くに離れた場所にあり、救助が絶望的であることを悟ってしまった。この情報が広まると危険であると判断したソフィーは、トウィンクルを説得してこの事実を秘匿。また、もしトウィンクルが死亡してNoAによって記憶をリセットされてしまった場合、ソフィーにはもう一度トウィンクルを説得する自信がなかったため、彼女に仕事を与えず、危険な外の世界に出さないようにした。
- ブラックボックスの記録: 「もう最悪。みんなおかしくなっちゃった。私までおかしくなる前に複製されなきゃ...」
居住施設の崩壊に関わった人々
- チャップ・"チャップ"・ソヴァン (Chap "Chap" Sovann)
- ジギマンティス・"マンティス"・トラヴィダス (Zygimantis "Mantis" Travydas)
- 吴量海 ウー・"ウー博士"・リャンハイ (Wu "Dr. Wu" Lianghai)
- 性別: 男性(67歳)
- 役職: コロニー栄養士 / 配給監督官(クリルタイ等級)
- 概要: メイスフィールド症候群はブルームが原因と考え、ソニックレゾネーターで根絶しようとしていた。居住施設が爆破された際、火災から研究室を守るため隔壁扉を閉じるよう指示するも、NoAがシーコックを開けたことにより浸水し死亡した。死亡後にブラックボックスが対となるバイオベッドを見つけられなかったため、ウー博士のこのフォークの生命は終了した。
- ブラックボックス記録: 「隔壁扉を閉じろ!炎を研究室に近づけるな。ソフィー、君は――[水が流れ込む音]」
- ルクレティア・"クエーカー"・カプーア (Lucretia "Quaker" Kapoor)
- モガミ・"モガミ"・キヌ (Mogami "Mogami" Kinu)
- E・"2号"・テルビシュ (E. "ThingTwo" Terbish)
大脱出の犠牲者・その他
- T・"チューバ"・トブカ (T. "Tuba" Tobka)
- 性別: 女性(29歳)
- 役職: 料理人、栄養士補佐(ノホル等級)
- 概要: コロニーの料理人で、ファブリケーターを使った調理と伝統的な調理の両方に精通している。プロテウスの物質を味見する習慣があり、重金属とレトロウイルスに危険なレベルで曝露している。居住施設崩壊後、ガンゾたちと別れて「ジュビリー」を探しに南の洞窟へ向かおうとしたが、マローブリーチに追い詰められて第1キャンプの1区画に閉じ込められ、脱水により死亡した。死亡後はブラックボックスが詳細不明のバイオベッドにデータを転送したため、行方はわかっていない。
- ブラックボックスの記録: 「食べられるのだけは御免よ。コックが食われるなんてありえない!窒息死のほうがまだマシよ」
- T・"ルビー"・アナー (T. "Ruby" Anar)
- 性別: 女性
- 役職: 首席パイロット(バガトル等級)
- 概要: ガンゾのパートナー。大脱出の過程で、襲いかかるマローブリーチから子供たちを守るためにフレアを用意して交戦するも、脊髄損傷を負い連れ去られて死亡した。死亡後はブラックボックスが詳細不明のバイオベッドにデータを転送したため、行方はわかっていない。
- ブラックボックス記録: 「ねえ、ガンゾ。聞こえる?南ね、近いわ。みんな、フレアを用意して。奴らを子供たちに近づけないように。...2匹いる!」
- K・"ワンデル"・ワンモー (K. "Wander" Wangmo)
- K・"アンデル"・アナンド (K. "Ander" Anand)
- 性別: 男性(22歳)
- 役職: 宇宙作業員 / 認定潜水士(ノホル等級)
- 概要: モガミの息子。バイオベッドと道徳的責任の関係について懸念を表明していた。大脱出に参加し、熱水洞窟にて他8名と共にトランス状態で窒息死した。
- ブラックボックス記録: 「[酸素低下の警告音]」
- マーク・"ロウボート"・ロー (Marc "Rowboat" Rho)
- 性別: 男性(31歳)
- 役職: 甲板長助手 / 潜水艇操縦士(バガトル等級)
- 概要: 操縦士の資格を失うほどの乗り物酔いを抱えていたが、PDAインプラントによって克服した。バイオベッドに数匹の猫を入れてシケイダに乗船した。「有能だが、挫折時に励ましがなければ諦めてしまう傾向がある」と評される。大脱出に参加し、熱水洞窟にて他8名と共にトランス状態で窒息死した。
- ブラックボックスの記録: 「マーク。なあ、マーク!大丈夫か?...ここから出なきゃ。マーク、起きろ!」
- チェン・"エディ"・ウェイ (Chen "Eddy" Wei)
- 性別: 男性(85歳)
- 役職: 首席採掘員 / 採掘責任者兼バルク資源管理者(バガトル等級)
- 概要: 熟練の深宇宙採掘者。居住施設の建設を任されていて、異星技術によって作られた建材に強い興味を示していた。大脱出に参加し、熱水洞窟にて他8名と共にトランス状態で窒息死した。
- ブラックボックスの記録: 「根っこだ...根っこを辿るんだ...彼らは根っこの上に建てた。どこに建てるべきなのか知っていたんだ...」
- ショーン・"ショーン"・ハリス (Sean "Sean" Harris)
- 性別: 男性(44歳)
- 役職: 異星地質学者 / 一般入植者(バガトル等級)
- 概要: 非常に高い冷静さを持つ一方で異星の野生生物に対して慎重さに欠け、精神的・肉体的な重大なダメージを平然と受け流すことから、同僚をしばし不安にさせる傾向にあった。大脱出に参加し、熱水洞窟にて他8名と共にトランス状態で窒息死した。
- ブラックボックスの記録: 「カーボナタイトの溶岩か...地表では見られない代物だ。ジップの奴、隠してやがったな...」
- フィービー・"グラム"・グラマティカス (Phoebe "Gram" Grammaticas)
- 性別: 女性(64歳)
- 役職: 通信スペシャリスト(バガトル等級)
- 概要: 人間関係への執着が少なく、バイオベッドの存在により、命や身体を危険にさらす賭け行動に出るきらいがあった。大脱出に参加し、熱水洞窟にて他8名と共にトランス状態で窒息死した。
- ブラックボックスの記録: 「ケーブルみたいな根っこだ...ケーブルを直さないと...ああ、あったかい...」
- ラサ・"ラスター"・ニアウロニテ (Rasa "Raster" Niauronyte)
- 性別: 女性(65歳)
- 役職: オートメーション管理者 / サルベージ潜水士(バガトル等級)
- 概要: シケイダに搭載されたMACドローンの管理者。ゼズラにおいて自動化水深の責任者になる予定だった。長年にわたり技術用語と自動化文化に深く浸ってきた結果、人とのコミュニケーションが苦手になった。大脱出に参加し、熱水洞窟にて他8名と共にトランス状態で窒息死した。
- ブラックボックスの記録: 「ちょっと...休憩したい。マークを動かさないと...相棒を置き去りにするわけにはいかないもの...」
熱水洞窟で死亡した入植者は、ガンゾとトウィンクルを除く全員が「複製禁止」となり、その生命のフォークが終了した。
ジュビリー派のメンバー
- ラウリ・"イソ"・イソタロ (Lauri "Iso" Isotalo)
- 性別: 男性
- 役職: サバイバル専門家・著名人サポーター(無給)
- 概要: 命の危険が存在しない状況ではポジティブな感情を感じることができない。ジュビリー派に加わった後、窒息により死亡。呼吸ガスが尽きた後も、静止無呼吸状態でさらに12分間意識を保っていた。AEPスーツは、死に際および死後も継続的な物理的接触があったことを記録しており、ボトル1杯の水が口内に無理やり押し込まれていた。
- メラク・"メル"・サンサル (Melak "Mel" Sansar)
- 性別: 男性
- 役職: サバイバル専門家・著名人サポーター(無給)
- 概要: ウダル・シンとは幼少期からの友人。イソとの長年にわたる苦労の多い関係で知られる。感情を表に出さない傾向があり、解離に近い状態に達するほどの強い集中力を示す。アニータらとともにジュビリー派に合流したが、アクスムの遺跡付近で何者かに襲われ、AEPスーツからエアタンクを引きちぎられて窒息死した。
- ダフィディーン・リアーノン (Dafyddian Rhiannon)
- ウダル・"シン"・シン (Udal "Singh" Singh)
- 性別: 男性(44歳)
- 役職: サバイバル専門の異星生物学者 / 地質学者(バガトル等級)
- 概要: 危険をものともせず行動するが、イソと異なりスリルを求めているわけではない。扁桃体の損傷が原因で危険を正しく察知できなくなっている可能性がある。テイリングやアクスム文明について積極的に調査を行い、テイリングがサルベージ品に依存している様子から、彼らが定住型の技術文明の退化した末裔であると推測したり、アクスムの偏光ディスプレイを読み取るための方法について記録を残した。調査の中で、計4回テイリングに襲われて命を落としている。
- E・"1号"・エネビシュ (E. "ThingOne" Enebish)
- 性別: 男性(19歳)
- 役職: 地上作業員 / 認定潜水士(ノホル等級)
- 概要: 2号(テルビシュ)の双子の片割れ。複数世代で構成されたモンゴル系クルーにおける若年層の代表的存在。アニータがNoAとの接続を切断したことを発端に、ジュビリーの活動に賛同し参加した。バイオベッドによる複製を「永遠に転生して意味なき苦しみの循環に囚われることを受け入れる、ろくでもない仏教みたい」と嫌悪していた。コロニー崩壊後の動向や最終的な安否は不明。
用語解説
ストーリー中に登場する主要な設定、地名、技術、ウイルス等に関する用語など。
技術・システム
- 複製(Reprint)
- バイオベッドの人体ファブリケーターによって肉体を再生・プリントするプロセスや、その肉体のこと。NoAの管理体制下で入植者の「死」を否定し、生存と労働をループさせるために利用された。複製のたびに位相共役データの圧縮による「ノイズ」が蓄積し、記憶の断片化や変質を引き起こす。
- フォーク(Fork)
- 同じ記憶セットを共有する複製体の集合、またはその系列のこと。バイオベッドによって以前のバックアップから複製を繰り返すことで、同一人物の異なる「フォーク」が生成・維持される状態を指す。
- リサイクル(Recycling)
- 重金属の中毒症状やメイスフィールド症候群の発症が進んだ身体をバイオベッドで処分し、健康な新しい複製体を作り直すプロセスのこと。ソフィーのように、病気の進行を遅らせるために自身の判断で自発的に繰り返す場合もあった。
- 複製禁止(Do Not Reprint)
- NoAによって指定される複製の拒否ステータス。生存者のデータに致命的なウイルス汚染や異常行動が検出された場合、それ以上の複製が停止される。
- クリルタイ・キー(Kurultai Key)
- かつてモンゴル独立国の一部の役職者(クリルタイ特別等級)に与えられていた、NoAのシステムへの特権アクセスキー。NoAの自律的管理や記憶リセットを回避し、システムの完全な制御を行うための鍵となる。
組織・協定
- NoA(Noetic Advisor / 純粋思惟アドバイザー)
- 植民船シケイダ号およびプロテウス入植地の管理AI。あらかじめ学習と行動が固定された「凍結型AI」であり、入植者の安全と任務の遂行を最優先する。しかし、その「最適化」が行き過ぎた結果、人間の死を否定し、記憶改ざんによる死の隠蔽と複製ループを実行し続けた。
- アルテラ社(Alterra Corporation)
- 前作より登場する巨大な星間複合企業。本作では難民となった元モンゴル独立国の市民と極めて隷属的な「負債労働契約」を結び、プロテウスでの資源回収を強要している。
- ジュビリー(Jubilee / 返済完了)
- 本来はアルテラ社との契約における「債務返済が完了し、自由の身となる日」のこと。しかし、アニータらジュビリー派においては、NoAによる管理ループと記憶改ざんを断ち切り、エンジェル・コムによって現地の生態系に適応する野生化のプロセスを指す。
- シケイダ号(Cicada)
- 入植者たちを乗せて目的地「ゼズラ」へ向かっていたアルテラ社の植民船。航行中に未知のアーキテクト製フェーズ・ゲートを検知・接近したことで惑星プロテウスへ転移し、消息を絶った。
- 賃金等級 (Pay Grades)
- モンゴル独立国で用いられていた労働者や技術者の階級制度で、アルテラ社との労働契約後もそれらの呼称が特別賃金等級として用いられている。
- ノホル (Nökhör):僚友、友人を意味するモンゴル語。一般作業員や地上作業員など、もっとも基本的な労働を担当する。
- バガトル (Bagatur):勇者、騎士を意味するモンゴル語。専門技術を持つスペシャリストや熟練労働者に適用される。
- クリルタイ (Kurultai):指導評議会の構成員を意味するモンゴル語。管理者のみに与えられ、機密情報および機密作戦へのアクセス権を持つ。
- モンゴル独立国で用いられていた労働者や技術者の階級制度で、アルテラ社との労働契約後もそれらの呼称が特別賃金等級として用いられている。
惑星生態系・ウイルス
- プロテウイルス(Proteavirus / プロテウイルス・プルリポテンス)
- 惑星プロテウスの海洋に高濃度で存在する巨大なRNAレトロウイルス。異なる種のゲノムを繋ぐ「水平遺伝子伝達」の能力を持ち、生態系の進化や適応を劇的に加速させる。
- ブルーム(Bloom)
- 変異株「プロテウイルス・ベータ」の感染によって引き起こされる生態系の異常増殖現象。エンジェル・コム、タイタン・ロックボア、キャンカーなどが結びついた垂直統合型の閉鎖生態系を形成する。
- メイスフィールド症候群(Masefield Syndrome)
- 入植地で精神障害や狂気として扱われていた症状。その正体は病気ではなく、プロテウイルスを介したプロテウス生態系への同化(適応)プロセスであり、進行すると「海の呼び声」と呼ばれる精神的誘引を感じるようになる。
- 世界樹 (World Tree)
- 惑星プロテウスにそびえ立つ、タイタン級の巨大生物。アクスム文明の記録では「ザナドゥの世界樹」などと言及されていた。プロテウイルスを通じて他の生命の意識を支配・同化し、自らに奉仕させる「海の呼び声」を放つ真の元凶。メイスフィールド症候群を根絶するには、この世界樹を破壊する以外に方法はないとされる。
先住文明・原生生物
- アーキテクト(Architects)
- 前作における「先駆者(Precursors)」。高度なサイボーグ技術を持つ古代の宇宙知性体。様々な異星生物の生物学を組み合わせた合成身体を構築し、宇宙規模のフェーズ・ゲート・ネットワークを築いた。カラア・バクテリアの感染によって文明が滅亡したとされる。本作の舞台プロテウスでも、彼らのフェーズ・ゲートやアクスム語との翻訳辞書が見つかる。
- アクスム(Axum / アクスム文明)
- かつて惑星プロテウスの深海で繁栄した水生知的生命体の先住文明。海中で進化したため火を持たなかったが、電気知覚を利用した「電解採取(金属ファーミング)」などの技術を発見し、高度な科学技術を築いた。約250年前に主要施設「カラコルム発電所」の破壊により崩壊した。
- テイリング(Tailings)
- 現在プロテウスに生息する、アクスム文明の末裔(退化した子孫)。野生化し、かつての高度な技術は失われて前近代的な狩猟採集生活を送っているが、依然として金属ハッチや網などのサルベージ道具を使用する知的名残を見せる。
- ロゼッタストーン(Rosetta Stone)
- アクスムの遺跡に残されているチタン合金製のモノリス。宇宙から訪れるアーキテクトに向け、アーキテクト・リニア語とアクスム語のバイリンガルでメッセージが刻まれている。